毛細血管拡張性運動失調症の概要

毛細血管拡張性運動失調症(A-T)は、発生頻度が稀な退行性疾患であり、初期症状は小児のときに現れます。複雑な病気であり体の色々な個所に影響を与えますが、特に脳と免疫系への影響が顕著です。
A-Tは時間の経過とともに病状が悪化する進行性の病気です。最終的にはほとんどのA-T患者は車椅子の生活を余儀なくされ、日常生活に介護を必要とするようになります。
A-Tが科学の文献に最初に登場したのは1926年のことですが、体系的な研究が始まったのは、1960年代からです。研究の成果は病気への理解を深め、病気への対処に役立ってきました。まれな病気であるにもかかわらず、研究者はA-Tへ高い関心を寄せています。というのはA-Tは多面的な疾患であり、A-T研究が神経系の疾患や免疫不全、老化といった主要な健康上の問題を知る手がかりになるかもしれないからです。

毛細血管拡張性運動失調症患者の割合

発症頻度に人種、経済環境、地域性、教育レベルによる差異は見られません。男女による差異もありません。疫学者によると、A-Tの出生に対する発症頻度は10万人に1人です。しかしながら多くのA-T患者は発症する前の幼児期に死亡していると考えられます。したがって本症は実際のところ、より頻度の高い疾患であると思われます。

予後について

現在のところ治療不能であり進行を止めることも不可能な病気です。幸いがんを発症しない場合でも、多くのA-Tの小児は10歳までに車椅子の生活を余儀なくされます。これは筋肉が衰弱するためでなく、筋肉の調節機能が阻害されるためです。その後、多くのA-T患者は10代から20代前半までに、呼吸不全またはがんにより亡くなります。40代の患者もいますが、非常にまれなケースです。

本サイトに掲載しているA-Tに関する情報は、
・「毛細血管拡張性運動失調症ッチルドレンズ・プロジェクト」ホームページ(http://www.tmd.ac.jp/med/ped/atcp/)
・平成21-23年度厚生労働省科学研究費所補助金(難治性疾患克服研究事業)毛細血管拡張性小脳失調症の実態調査、早期診断法確立と、病態評価に関する研究班編「毛細血管拡張性運動失調症ハンドブック」
より引用させて頂いております。